2010年1月29日金曜日

たとえ小さなことであっても

横浜の歴史に埋もれたヘボン博士のことについて、今たくさん資料を読んでいます。以前書いたように、ヘボン博士は、ヘボン式ローマ字をつくった人ですが、横浜の歴史、もっというと幕末から明治に変わっていく日本という国に、そんなに派手ではなかったのかもしれませんが、静かに深く影響を与えた人です。

今読んでいるのが、高谷道男編訳「ヘボンの手紙」

弟との間の私信を子孫から託されて、高谷氏が訳したもので、当時のヘボン博士の生の声が記されています。

苦しい立場や悲しみ、不満、自分の功績に対する率直な誇りなどが正直に書かれていて、ヘボン博士の人柄が伝わってきます。

日本に来る時に、実はヘボン夫妻は、息子の身の安全と(幕末日本は、非常に政情が不安定で安心して暮らせるという場所ではないと考えられていたため)、それと将来のことを考えて、まだ十代のサミュエルをアメリカの友人に託してきています。息子を置いて日本にきたことの是非は、もちろんヘボン博士をずっと悩ませていました。それでも自分の使命を果たしたいという強い思いから、日本にとどまり、自分の心の声に従い続けました。

「わたしはこの国において役に立つものになるかもわかりません。どんな小さいことであっても、とにかく何かに役に立つことをやろうと努めています。」

ヘボン博士のこの言葉は、閉塞感にとらわれている今の日本人に、一番必要なメッセージかもしれません。

たとえ小さなことであっても、何か役に立つことをとにかくやってみる!

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