2010年1月18日月曜日

たくさん話せば英会話が上達する?

どんなことでも、上達の秘訣は数をこなすこと。たしかにこれは理にかなっているように思います。ゴルフだって、歌だって、料理だって、なんであってもとにかくたくさん数をこなしていればそのうちうまくなる。英語も同じで、話せないのは話す練習が足りないから。とくにネイティブと話す機会が多ければ、英語がどんどん上達するに違いない。そう考えている方が多いのではないでしょうか。でも、実はそうでいとしたら...。もしよかったら、ちょっとだけ私の話におつきあいください。

例えば...。あなたがまったく、プールでも海でも泳いだことがなかったとします。さて、泳げるようになるためには、どうしたらいいでしょうか。実は、私の父は北海道の小樽近辺で育ったのですが、小さい頃、港で遊んでいると大きなお兄さん方に、背中をどんと押されて海に突き落とされたそうです。もちろん、小さくてまだ泳げなかったので、当然あっぷあっぷもがいていると、このままだと溺れる!という瞬間に、大きなお兄さんたちの一人が飛び込んできて、助け上げてくれます。しばらくして、ようやく落ち着いて遊んでいると、また、どんと背中を押されて海の中へ。またあっぷあっぷしていると、あぶないところで助け出され、しばらく落ち着いて遊んでいると、またどん!、と。そんなことを何度も繰り返しているうちに、いつの間にか泳げるようになっていた。そんな話をよく聞かされました。考えてみれば、ずいぶん荒っぽいですよね。下手するとほんとうに溺れかねない。今なら、いじめと言われて大問題になりそうです。でも、もしかしたら海の近くの子供達は、今でもそうなんでしょうか。

泳げるようになったといえば、たしかに何度も数をこなしているうちに(つまりは、溺れかけながらも、強制的に何度も繰り返しているうちに)、父は泳げるようになりました。でも、父には内緒ですが、たしかにどんなところでも泳ぐのですが、やっぱり自己流というか、水泳の選手のようにきれいなフォームではないなと子供心に思っていたものです。別にきれいなフォームじゃなくても、とりあえず泳げればいいじゃないかという声も聞こえてきます。でも、一流の水泳選手のきれいなフォームというのは、一番無駄なく身体に負担が少なく、効率よく泳ぐことを可能にします。だから、やはり自己流で無理がある泳ぎよりも、基本がしっかりできたきれいなフォームの方がいいと思います。

さて、これを英語の学習に置き換えてみましょう。話せるようになるためには、とにかく数多く話せばいいということで、いきなりネイティブスピーカーと会話を始めます。その結果、溺れてしまって命が危険にさらされるということはないとしても、いつもなんとか単語を並べて、文法はあやふやで、発音もいまひとつ自身がなくて、自己流の英語から抜け出せない。そんな声をよく聞きます。では、話す練習をたくさんやっても上達しないのなら、いったいどうしたらいいのでしょうか。それに答えを出しているのが、外国語を学ぶということを科学的に研究している第二言語習得研究です。次回は、科学的にどうしたら効果的に話せるようになるのかについて書きたいと思います。ヒントは、インプットを多く、アウトプットは適度にです。

0 コメント: