2010年1月2日土曜日

英語学習にモチベーションは必要か?

英語を勉強したい! という人からよく聞く言葉が
「モチベーションがなかなか...」

英会話学校などでもよく
「モチベーションが大事です」

さて、このモチベーションという言葉、ふつうに使われていますが、あらためて考えると、どのような意味があるのでしょうか。

まずは、日本語でどういう意味をもっているかを大辞林でみてみると

(1) 動機付け
(2)動機や意欲を与えること。刺激。熱意。

英会話学校ではおそらく、モチベーションを「動機付け」という意味で使っているのでしょう。たぶん少しは「熱意」という意味もあるかもしれません。また、自分のことを言う場合は、たぶん「熱意」という意味合いが強くて、それに「動機付け」が加わるという感じでしょうか。

動機ということばをさらに引くと

(1)人が行動を起こしたり、決意したりする時の直接の(心理的な)原因・きっかけまたは目的。
「犯行の―」
「執筆の―」
「―が不純だ」
(2)〔英 motive; (ドイツ) Motiv〕(ア)〔心〕 人の行動を決定する意識的・無意識的原因。動因。
(イ)〔倫〕 行動を規定する根拠となる目的意識を伴った欲望や衝動。
(ウ)〔法〕 犯罪および意思表示・法律行為を行う際の内的原因。原因。
(3)モチーフ(2)に同じ。

さて、英語の意味はどうでしょうか。motivation の元になっている、motive を dictionary.com で 引いてみましょう。

1. something that causes a person to act in a certain way, do a certain thing, etc.; incentive.
2. the goal or object of a person's actions: Her motive was revenge.
3. (in art, literature, and music) a motif.

日本語と英語の意味をくらべると、意味はほとんど同じなのですが、一つだけ、英語の goal という意味が、日本語では少しずれているような気がします。それは、goal を日本語では「目的」としていますが、英語の場合に、「目的」と併せて「目標」という意味があることです。「目的」は人に何かを行動させるための原因やきっかけといった意味ですが、「目標」となると、目指すもの、向かおうとしている方向、達成しようとしていることとなります。

実は、日本語でモチベーションという言葉を聞くときに感じるのは、まるで営業の成績達成のためのインセンティブのようなイメージです。とってもきついことだけど、なんとか自分を駆り立てて、それを一生懸命、必死になって頑張って達成するもの。そしてそれを達成できたら、インセンティブがもらえる。そんな、ちょっと苦行のような感じを受けます。こういう学習の姿勢はやはりきついのではないかなと思います。

日本人は、相変わらず英語に苦手意識をもっていて、ほとんどそれがトラウマのようになっている。その原因はいろいろありますが、私が思うに、英語学習への「モチベーション」という言葉の解釈にも問題が、というか、日本人らしさが出ているのではないかと思います。

モチベーションをもし、「目標」ということばでとらえると、それは、自分が納得してかかげるものであって、たとえそこまで到達できなくても、また挑戦すればいい。そんなリラックスした感じがするのではないかと思います。

モチベーションがもし、与えられる、または無理をして自分に課すような動機付けなら、そろそろそんな無理強いとはおさらばして、もう一つの意味、「目標」というニュアンスでとらえてみてはどうでしょう。

スローイングリッシュの中心にある基本コンセプトは、まさにそれを提唱しています。

基本コンセプト:人は、外国語を学ぶことに喜びを感じる力をもっている
(1)なぜその方法で学ぶのか、正しい知識と理解をもつ
(2)自分に合った、心地よく感じる学習方法と教材を用いる
(3)あせらず、ゆっくり、しかも確実に英語を身につける

気張らずに、リラックス、リラックス!

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