2010年2月11日木曜日

小学校英語について思うこと

ちょっときっかけがあって小学校英語について書きます。

実は、実の弟が北海道教育研究所に勤務していまして、小学校の現場にいたときに小学校英語の実践をやっていたこともあり、ずっと興味をもっていました。こうして、英会話の事業を行うようになって、今は成人の方の英語習得のサポートをしていますが、現場で頑張っていらっしゃる先生方や、特に小学生のお子さんを持つ親の方々になにか役に立つことができないかと考えています。

さて、小学校英語については、英語教育産業のちょっと先走り的な情報発信もあり、なにか急に小学校で英語の授業が始まるかのようなイメージがありますが、新しくなる指導要領には、教科ではなく、別項目で「外国語活動」として位置づけられています。つまり、国語などのように教科ではなく、それぞれの学校の状況応じて、柔軟な取り組みがスタートできる活動のひとつになっています。

実際には、総合学習の枠組みや空き時間の活用、授業時間を補充しながらという試行錯誤が行われているようです。

横浜市では、23年からの全国での外国語活動導入を先取りし、全学年で外国語活動を行っています。担任の先生とALT、そして英語に堪能な保護者や地域の方がサポーターとなって、英語の単語に親しんだり、ゲームをしながら、英語の発音や簡単な表現に慣れたりという活動が、各学校で行われているようです。

子供たちが英語にふれるチャンスができるのはとってもいいことだとおもいます。ただ、実際に中心になっていらしゃる学校の先生方は、ただでさえ忙しいのに加えて、ALTやサポーターの方との打合せ、調整で多忙になりすぎないかちょっと心配です。

また、小学生のお子さんがいる親の方々に十分な情報が行き渡っていないように思います。自治体も説明会を開いたりなど、努力を続けていますが、情報が行き渡り、理解が深まるまで、少し時間がかかるかもしれません。

小学校英語に関して、気になる点を挙げると

(1)これは英語教育界全体の問題点かもしれませんが、外国語活動の中心となってる考え方が、あまりにも言語学的な視点に偏っているということです。言葉は言語学だけでなく、文化的なことはもちろん、精神的な面、身体的な面、社会的な面など、様々な要素が複雑に絡まった活動です。より広い意味でのコミュニケーション活動を目的にするのであれば、言語学的な視点だけでは、中学英語の予備学習になってしまわないかと心配しています。

(2)外国の文化に触れる機会は、地域によって差があるかと思いますが、横浜の場合は一歩街に足を踏み出せば、多くの外国人のコミュニティがあります。言葉と同時に、実際に地域にいる外国人の人々との触れ合いの機会も(もちろん実際すでに行われていると思いますが)積極的に作っていくことができれば、小学校の外国語活動が実りあるものになるかと思います。英語だけじゃなく、時々別の言語にふれる機会もあれば、横浜の地域特性を活かしたものになるのではと思います。

なによりも、実際に現場で指導を行っている先生方に無理がかからないような仕組みをつくっていかないと、せっかくの活動も年月を重ねるごとに形骸化していきかねないと思います。また、小学校の教育活動全体とのバランスが、なによりも大切ではないかという、当たり前のことを最後に付け加えておきます。

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